感染予防策の基本方針
医療機関として、院内感染予防対策を行うのは当然でありとても大切なことです。患者さんが安心して通える快適な環境づくりにつながることはもちろん、働くスタッフの健康にもつながります。大分市の矯正歯科「エンゼル矯正歯科」では、さまざまな方法により消毒・滅菌を行って院内の衛生管理を徹底しています。こちらでは、当院が行っている感染予防策についてご紹介します。
感染予防の基礎 - ユニバーサルプレコーションとスタンダードプレコーション
ユニバーサルプレコーション(普遍的予防策)
ユニバーサルプレコーションとは、医療スタッフへの感染予防や施設の汚染を防ぐことで、院内の感染症流行を防ぐことを目的に行う、普遍的な予防策のことです。この予防策は米国にて、HIVの流行を防ぐために考えられました。すべての患者さんを検査して、HIV、HB、HCなどのウイルスの有無を知ることはほぼ不可能です。そのため、ユニバーサルプレコーションでは、血液・体液・またはそれに汚染された器具や環境などすべてにおいて、感染性があるとして取り扱い、感染防止を防ぎます。
スタンダードプレコーション(標準的予防策)
スタンダードコンプレーションとは、ユニバーサルプレコーションをさらに拡大した標準的予防策のことです。血液や体液を含むか否かにかかわらず、接触・空気・飛沫感染などすべてに対応します。米国のCDC(米国疾病管理予防センター)が予防策ガイドラインにてスタンダードコンプレーションについて言及し、包括的で新しい体系を示しています。
最新の院内衛生管理システム
当院では、安心・安全な矯正歯科治療を行うため、デンタルユニットに送られる水や空気をより清潔にするシステムを導入しています。他にも、当院にて取り組んでいる院内感染予防のポイントをご紹介します。
ポセイドンシステムによる清潔な電解水の使用
「ポセイドン」は、中性電解水をつくって水の状態を変化させ、水を衛生的な状態に保つ装置です。
日本では近年、水道法の水質管理目標設定が厳しく見直されています。しかし、歯科医院によっては、その目標値を超える細菌が検出されているところもあるようです。特に、デンタルユニット内の水は、水道水に含まれる残留塩素濃度が時間とともに減少することから、細菌などが発生しやすくなっています。
当院ではポセイドンシステムにより、うがい用の水はもちろん、歯科治療で用いる水を清潔に保っています。また、定期的な水質検査を行い、治療で使用する水質を高い水準で保つよう取り組んでいます。
新鮮な空気の確保と排気管理
歯科用コンプレッサーは、新鮮な空気が必要です。当院に設置している空気タンクはステンレス製なので、サビやオイルの混入を防げます。オイル不要で作動しますので、常に新鮮なエアーをデンタルユニットに送れて衛生的です。
また、デンタルユニット内には「ポセイドン」を通した清潔な電解水が流れています。デンタルユニット内部を通るチューブは、そのままだと細菌が増殖しやすく、バイオフィルムが形成されやすくなっています。清潔を保つためには、洗浄・除菌力がある中性電解水を通すことが必要です。
ポセイドンによってつくられた中性電解水には添加物が一切含まれません。水道水を強力に電気分解し、残留塩素などの殺菌性物質を大幅に増加させてつくられています。そのため、人や動植物、環境に優しいのが特長です。うがい水としても、安心してお使いいただけます。
診療用サクションの清潔な排気
排気には、0.3ミクロンまでの粉塵を99.97%捕集できる、HEPA規格の特殊フィルタを使用しています。そのため、機械室は常にクリーンな環境を保てます。
自動換気システムを完備
機械室内は、温度上昇によって自動的に強制換気するシステムになっています。そのため、常にクリーンな室内が保たれ、コンプレッサーに清潔な空気を供給できます。
高機能デンタルユニットの採用
デザイン性に優れ、細菌感染リスクを減らすシステムが組み込まれた、イタリアのチェフラ社製デンタルユニットを採用しています。特長は以下の通りです。
バキューム洗浄システム
水によって排唾管内を洗浄し、タンク内に消毒液を行きわたらせてしっかり消毒します。
バイオスター
自動的にユニット内の水回路(タービン、マイクロモーター、エアースケーラー、シリンジ内のチューブ)を過酸化水素水で消毒します。バイオスターを搭載しているのは、日本の歯科医療現場ではヨーロッパのメーカーの3社の輸入ユニットのみしかありません。
オートチップエアー
器具の停止後、自動的にチップエアーが出て、ハンドピース先端に付着した汚れを吹き飛ばします。そのため、バックフローによる内部感染や二次感染を予防できます。
高度な洗浄・滅菌設備
高度洗浄機器による確実な洗浄
ドイツのミーレ社の器具洗浄機を導入しています。国際基準(ISO15883)に基づいた高度な洗浄・消毒を行える機器で、誰が操作しても高水準の洗浄が可能です。また、タービン、マイクロモーター、エアースケーラー内部のエアーや水の回路の中など、細かい部分にも温水が入り込み、徹底的に洗浄・除菌できます。
イタリア製ユーロンダ滅菌器による徹底した滅菌
欧州の新基準 (2004年ヨーロッパ基準EN13060)をすべてクリアした、イタリアのユーロンダ社製タイプBオートクレーブ「E9」を導入しています。「ヨーロッパ基準EN13060」は、「あらゆる種類の滅菌物(固形、包装、多孔性、中空のある物)を滅菌できる」ことを意味しています。この基準に準じた滅菌器は「クラスB」とされます。当院では、こうしたクラスB基準のオートクレーブにより器具を徹底滅菌することで、清潔で安全な院内環境を維持しています。
プラスチック器具の専用滅菌法
当院では、ホルムアルデヒドガスで殺菌する「Hollsteri 20 RM」という密閉型滅菌器を導入しています。E9による高熱処理ができないプラスチックチューブ類などは、こちらの滅菌器にて滅菌処理を行います。薬液の劣化、揮発毒性廃液処理による環境影響の問題があるため薬液での滅菌は行っていません。
消毒滅菌に用いたホルムアルデヒドガスは自動中和されて、庫内や器具に残存しません。そのため、「Hollsteri 20 RM」は安全性の高い機器です。
滅菌袋による個別管理
タービン、マイクロモーター、エアースケーラー、プライヤーなどの治療器具は、滅菌後に専用の滅菌袋に入れて滅菌消毒します。治療直前に滅菌袋から取り出して使用しますので、器具はいつでも清潔で安全です。患者さんごとに交換していますので、もちろん使い回しはありません。
ディスポーザブル品の徹底使用
ディスポーザブル品の使用について
当院では、使い捨てできるディスポーザブル品も活用しています。患者さんがお使いになるうがい用の紙コップやエプロン、歯科医師やスタッフが治療に使用する手袋などもすべて使い捨てです。