適切なケアで、歯を一生使い続けられます 予防歯科
「本当に一生涯、自分の歯で過ごせる?」と疑問を持つ方は多いかもしれません。もちろんそれは、実現可能なことです。
歳を取ってから歯を失うのは老化現象で仕方のないこと、そう思う方は少なくありません。もちろん、皮膚のシワが増える・腰が曲がるといったように、老化によって歯や歯を支えるアゴの骨が弱くなることはあります。しかし、歯そのものが老化によって失われることはありません。
近年は、歯科医療の進歩により予防処置や技術もかなりレベルが高くなっています。そのため、定期的に歯科医院にて適切なケアを受けていれば、一生自分の歯で噛み続けられます。
大分市の矯正歯科「エンゼル矯正歯科」は、お口のトラブルを未然に防ぐ予防歯科を重視しています。患者さんの将来を考え、一人ひとりにあった適切な処置を行いますので、お気軽にご相談ください。
歯を失う原因とその予防
永久歯は、親知らずを除いて28本あります。「平成23年歯科疾患実態調査報告」によれば、80歳の日本人の平均残存歯数は12.2本であり、半分以下しか残っていないことが分かります。
歯を失う原因には、むし歯・歯周病・外傷があります。事故などによる外傷は未然に防ぐことはできませんが、むし歯・歯周病であれば適切なケアにより予防可能です。
むし歯や歯周病を引き起こす原因は、プラークの塊であるバイオフィルムにあります。毎日隅々までブラッシングしてバイオフィルムを完全に除去できれば、病気になることはありません。しかし、少しでも取り残しがあれば、歯の表面が溶かされる脱灰が起こり、歯に穴があいてむし歯になってしまいます。穴があいた歯は、自然に治ることはありません。そのため、一度でも歯が悪くなってしまえば、治療しても再発しやすく、最終的に歯の喪失につながってしまうのです。
むし歯予防のためのアプローチ
歯は、毎日の食事の際に歯の表面が溶ける「脱灰」と、溶けた歯の表面を修復する「再石灰化」が繰り返されています。つまり、1日のうちで脱灰量と再石灰化量のバランスがあっていれば、むし歯になることはありません。しかし、ケアを怠ってお口の環境が悪化すれば、そのバランスが崩れてむし歯になってしまうのです。
むし歯予防で大切なことは、ご自宅でのセルフケアと、定期的な歯科医院でのプロフェッショナルケアをしっかり行うことです。特にプロフェッショナルケアは重要で、毎日のセルフケアでは落としきれないバイオフィルムを隅々まで機械的に除去します。きれいになったお口は、だ液による自浄作用が向上します。また、フッ化物を塗布する処置を行えば、歯の再石灰化促進による歯質強化、耐酸性効果の向上、抗菌作用による原因菌の増殖抑制を実現できます。
歯列矯正と予防歯科の関係
歯並びが悪いと、プラークの付着率が高まり除去も難しくなります。そのため、脱灰からむし歯、さらには歯肉炎から歯周炎へと進行しやすく、歯を失う可能性が高まります。
矯正歯科治療により歯並びを整えれば、見た目が美しくなるだけでなく、機能性や清掃性が高まります。そのため、お口の環境が整いやすく、むし歯・歯周病といった問題に悩まされにくくなるのです。
一生涯、自分の歯で美味しくご飯を食べるには、むし歯や歯周病リスクを調べるだけでなく、歯並びの改善を行い、そのうえで定期的なメインテナンスを受けることが大切です。すでに何本かの歯を失っている方でも、歯並びの改善やメインテナンスにより、大切な歯をこれ以上失わずに済む可能性が高まります。
矯正歯科治療中の予防ケア
矯正治療中は歯に装置を取り付けますので、むし歯になりやすい状態になります。そのため当院では、「歯のクリーニング」と「メインテナンス」を重視し、矯正歯科治療中にむし歯にならない「カリエスフリー(むし歯ゼロ)」を目指しています。
むし歯は予防が肝心
「むし歯になってから歯医者に行けば良い」そうお考えの方は少なくありません。しかし、歯はむし歯になれば自然治癒することはありません。治療しても削った部分は失われ、歯と詰め物の隙間から細菌が入り込み、再びむし歯になる可能性があります。再発のたびに治療を繰り返せば、いずれ健康な歯は失われます。そのため、治療しなくても良い歯にする予防がとても大切なのです。
一生涯、自分の歯で食事を楽しむためにも、ぜひ「むし歯にならないために予防する」という意識へシフトチェンジしていきましょう。セルフケアをしっかり行うことはもちろん、定期的なメインテナンスで、早い段階からお口の環境を整える習慣を身につけていってください。
矯正歯科治療中の特別なケア
矯正治療中は、取り付けた装置付近に歯ブラシが届きにくいため、磨き残しやすくなってむし歯リスクが高まりやすい傾向にあります。矯正歯科治療中にむし歯になってしまえば、歯の治療のために矯正を中断しなければなりません。そのような事態を避けるためにも、日々のブラッシングとともに、プロによる「歯のクリーニング」や「メインテナンス」を受けましょう。
プロフェッショナルクリーニングの種類
PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)
PMTCとは、歯科医師や歯科衛生士などのプロが、専用の機械によって歯の表面のプラークや歯石を徹底的に取り除く処置のことです。歯石取りだけだと、歯の表面がざらついて汚れが付着しやすくなります。PMTCでは、専用のチップとペーストを用いて表面のざらつきを取り、滑らかに仕上げますので、汚れの再付着を防げます。
クイックジェット(歯面清掃器)
水と炭酸水素ナトリウムを主成分にするパウダーを強い圧力で噴射し、歯の表面や歯と歯の隙間の汚れを取る処置です。歯ぐきを傷つけることなく、歯の表面に付着した沈着物を除去できます。施術後は歯の表面がツルツルになりますので、汚れが再付着しにくく、スッキリきれいになります。
リナメル(ナノアパタイト塗布)
歯の表面には目に見えない無数の細かな傷があります。そこに茶渋などの色素であるステインやプラークが入り込むことで、歯が黄ばんだりむし歯が引き起こされたりします。リナメルは、歯に大切なミネラル成分を補給して歯の表面を修復する処置です。歯がツルツルになるだけでなく、コーティングされることで外部からの刺激が遮断され、知覚過敏の軽減・消失も期待できます。また、むし歯の原因菌であるストレプトコッカスミュータンス菌を吸着する性質もありますので、むし歯・歯周病予防にも効果的です。